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熱可塑性エラストマー(Thrmo-Plastic-Elastomer)

別名 TPE
概要 熱可塑性エラストマーは基本的には、硬質高分子物質と軟質高分子物質を組合せた構造を有するもので、常温でゴム弾性を示し、高温では熱可塑性プラスチックと同様に可塑化され成形できるもので次のような特長がある。

1.通常のゴムの場合、加硫反応による架橋化によりゴム弾性を保持するため、加硫剤、加硫促進剤などの添加剤を配合し、混練工程、加硫工程が必要となるが、熱可塑性エラストマーは、加硫剤や加硫促進剤などの添加物は必要でないので、混練工程は簡素化され、加硫工程を必要としない。
そのため、通常の熱可塑性プラスチックと同様に成形加工ができる。

2.熱可塑性エラストマーは、素材の化学構造を変えることによって、軟質加硫ゴムから熱可塑性プラスチックに近いものまで、比較的広い範囲の物性を保有する弾性体が得られる。
熱可塑性エラストマーは、Shell社が1965年に、SBSブロックポリマーのKratonを市販したときに始まり、現在、上市されている主な種類に、スチレン系(SBC)、オレフィン系(TPO)、ポリ塩化ビニル系(TPVC)、ウレタン系(TPU)、ポリエステル系(TPEE)、ポリアミド系(TPAE)などがある。

原料 スチレン系:硬質分ポリスチレン軟質分ポリブタジエン、ポリイソプレン
オレフィン系:硬質分ポリプロピレン軟質分エチレンαオレフィンゴム
ポリエステル系:硬質分ポリエステル軟質分ポリエーテル
ポリアミド系:硬質分ポリアミド軟質分ポリエーテル
用途 【スチレン系】
車両、工業用部品、電気・電子部品、建築・土木、履物、食品包装、医療用品、ホース・チューブ
【オレフィン系】
車両、工業用部品、電気・電子部品、建築・土木、スポーツ用品、ホース・チューブ
【塩化ビニル系】
車両、工業用部品、建築・土木、食品包装、スポーツ用品、ホース・チューブ
【ポリエステル系】
車両、工業用部品、建築・土木、スポーツ用品
【ポリアミド系】
車両、工業用部品、電気・電子部品、食品包装、スポーツ用品、ホース・チューブ